神凪ノ杜 日向√

 

 

 

※ ネタバレ有り

 

 

 

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日向(CV.柿原徹也

犬の妖で、本作の幼馴染みポジションの日向。結構な過保護なんですが、日向は基本的に無愛想でぶっきらぼうでした。が、ヒロインを大切に思っていることは今までのストーリーを進めていく中でひしひしと感じられました。

 


龍神組のストーリーでは、初っ端からヒロインは禊によって記憶がなくなります。本当にビックリした。
幼馴染み枠のいいところ潰れませんか?!って思ったんだけど、心配することなく日向√のシナリオも本当に良かった。

 

 

 

 


記憶をなくしてから日向はヒロインを避けはじめます。思い出させるために奮闘するのかと思ったらそうではなく、ただ悲しくてどうすれば良いのか分からなかっただけだと終わった今では思います。

 

 

 

プレイ中は、獣姿に変わった日向を見て怖がってしまう場面があったり、"日向さん"呼びだったり、日向の気持ちを考えるとすごくしんどくて哀しかった。その後、姿が変わっても瞳が一緒だ、とちゃんと認識して日向がほっとしたような表情を見せたので、私も安心しました。同様に「前のお前も、今のお前も一緒だ。俺にとって、お前はお前しかいない」と言われたことは、ヒロイン的にも大きかった。

 

また、桃の存在は日向が出会った頃をなぞった物語であり、日向は記憶がなくてどう接すればいいか掴めていない状況だったので、ヒロインは出会った時のままだと再確認できたシーンだったように思います。

桃が死んじゃうのは本当に悲しくて…。花を送るためだけの健気さだったり、もしかしたら日向の運命もこうだったのかも、と連想させるようなシーンだった気がします。

 

 

 

そして、ここら辺から祖父らの不穏な動きを日向が察知し、連れ逃げた挙句監禁。

身内が祖父しかいないヒロインを悲しませたくない一心で動き続けた日向は、とにかく言葉足らず。記憶がないヒロインとは信頼関係がまだ脆いから余計に不安要素しかなくて、付喪神の鈴ちゃんがいい役割してくれたのは胸熱でした。

高耶に煽られて「俺の幸せも、不幸せも、生きる意味も、死ぬ意味も……全部こいつなんだよ!」と断言した日向にはさすがに痺れました。私が思ってた以上に、日向はヒロインが一番なんですよ…本当に、、、( ;  ; )

ここらの言動をきっかけに、自らの禊を解く道を選べるヒロイン本当好きでした。家族としてじゃなく、日向を大切に思う気持ちが芽生えて決断できた決定的シーンです。

 

 

さらに当√ではヒロインの両親についても言及されていました。

高耶から伝えられたヒロインの母が父を殺したという話。これは結局、高耶がついた嘘であり犯人は彼自身だったんですが…まだ全容を知らないので鬱陶しい存在でしかなかった。

少し脱線しましたが、母は父の式妖であった。人と妖の間にできたヒロインは、言葉通り特別な存在だったんですね。

 

勾玉に込められた母の愛情、そして南条家の力を無効化する代物を日向に託したのが本当に……形容し難い感情……。日向は、お祭りのシーンでの「俺の幸せは、俺の大切な奴が幸せでいることだ」この言葉が全てだから、生贄にされることもなく、家に縛られることもなく、ヒロインの幸せだけを選択する覚悟を持って力を使います。例え側にいなくても…( ;  ; )

 

 

 

勾玉の力が徐々に効いてきて、少しずつ気配が希薄になっていくところがじわじわと効いてきて切なくて……。

「触れることも、声を聞くことも、姿を見ることも出来なくなっても、何も変わらない」

「俺はずっとお前のことを一番に想ってるし、お前に何かあったときは、絶対に駆け付けてお前のこと守るから」

ああああ〜〜〜( ;  ; )分かる。昔からそうだったことが目に見えて分かる。

日向は式妖でもないから依頼主ら人間に見えないことが至るところで描かれているのが、いよいよヒロインにまでと思うと小ネタがめちゃくちゃ重みを増すんですよね。しんどい。

 

 

 

ここまで進めると思うのが、日向√はヒロインが記憶をなくさなきゃ恋愛に発展しないこと。家族としての距離感をリセットして、一から関係性を築く必要があって。そこから記憶を取り戻し、今までとは違った日向の一面を見て、守ってくれたりキスされたりして、男性として意識した時には悲しい未来しか見えていなくて、「……俺はもう、お前の涙拭いてやれねえから」でボロボロでした。

いじめられっ子だったヒロインの涙を何度も拭いてやったことも分かるし、母親が亡くなった時もそうだったんですよね。"笑顔にしてやれない"、じゃなくて"涙を拭いてやれない"なのがいいんですよ〜〜〜( ;  ; )

 

 

 

「お前が俺のこと見えなくなっても、触れられなくなっても、俺はずっと一番にお前のことを想ってる」

「何十年経っても……たとえお前が俺のこと忘れても、俺の気持ちは変わらない」

妖恋愛が大好き人間なので、存在のあやふや感だったり、寿命を匂わせてくる感じめちゃくちゃテンションあがる。シーン自体は号泣していたんですけど。

 

最後、ヒロインはカグナに願いを託しすべての人間から認知されない妖となることを選びます。能力の有無関係なく人間には見えない。

めちゃくちゃ好きな終わり方してくれて最高に泣いた。住む世界が違う2人が寄り添って側にいられる選択肢に歓喜した。

 

バトエンの面白みがないのが残念すぎるんですけど、泣きじゃくるヒロインの涙を拭おうとするけど絶対に無理みたいな演出欲しかった(すべて妄想です)

 

 

日向は出会って間もない頃からヒロインに恋心を抱いて、大事に思っている一方で自分はずっと側にいられないことを感じているんですよ。宋太SSでもそうなんだけど、彼はヒロインと同等の人間になりたいんですよ…。結末は、ヒロインが日向の方は飛び込んでいくんですけど、一連の流れがえぐいほど天才なんですよ〜〜!!しかも、旭√が公式推しじゃん?めちゃくちゃしんどい。日向に幸あれ…!