神凪ノ杜 東雲√

 

 

 

 

※ ネタバレ有り

 

  

 

 

f:id:stnb5291024:20200527235231j:image

東雲(CV.松岡禎丞

食欲旺盛な付喪神の東雲さん。

普段から人とは違った言動をして、居候メンバーを翻弄したり怒らせたりしても尚飄々としている東雲さんでした。トリの物語としては本当に綺麗で、スチルを見るたびに思ったけど顔が好き。

 

 

「笑った顔が一等可愛い」と言ってくれる東雲さんの言い回し〜〜!!めちゃくちゃ好きなんですよね。

 

 

この√でも、ヒロインは記憶がないところからスタートです。

記憶がないことにまだ混乱しているとき、たまたま夜の散歩中出会ったのが東雲さん。

「焦らずとも、大抵のことは時が解決してくれる」

「悩んでそういう気持ちになったら、一人で居ずに、誰かと一緒にいたらよいな」

この言葉すごく強いですよね。神様であり、人らしくない励まし方だから、余計に胸に響くというか…。後々効いてくる言葉でもありました。

 

葵くんと仲良く3人で、みたいな過程が多い中で人の心に真摯に向き合える東雲さんすごいなあ、と。いつも守ってくれる兄を悪く言われても言い返すことも出来ない自分が嫌だ、と葵くんが苦しんでいるときの声を掛けけかたも良かった。意図を組んで、結果というより過程がすごく優しくていい神様だな〜って。

 

 

東雲さんは優しさで人を包み込むような強さがあるんですけど、「僕は娘さんのことが大好きだ。だから娘さんが悲しい顔をしていたら、自分にできることを一生懸命考える」。これって東雲さんだから出来ることじゃなくて、東雲さん自身が心を持って投げかけてくれた言葉なんですよ。末裔だからとか、記憶がないからとか関係なくて慈愛を向けてくれる東雲さん強いよなあ。この時のスチルめちゃくちゃ好き。

 

 

一方で、人の死に意味はないと断言するのも冷静さも後の事を知ったら頷けるんですよね…。生き返って欲しいという気持ちは良いことかもしれないけど、生き返ることは許されない。って神らしい言葉。この深みが東雲さんの魅力だと感じます。

 

 

 

 

当√の真相は、総括的な物語でもありました。

 

東雲さんは龍神でした。

ここまでは想像できたのですが、龍神と巫女・文乃の交わした約束はもう終わっているということ。贄として約束していた人数は既に終わっており、早苗は贄として死ぬ必要はなかった。

死に意味はないは、文乃〜早苗までの事を指していたんですよね。贄としての期間が終わったも、何度も何度も命を捧げにやってくる。これを止める術もなかった…。文乃らの命と引き換えに助けた村人たちは文乃や東雲さんのことを覚えておらず生き返らせたかった人々とは違った存在でした。もう、文乃は生きておらずどうすることも出来ない東雲さんのことを考えると悲しすぎる、、。

 

 

 

東雲さんは罰を終わらせるため、ヒロインは贄にならずにいるためにお互いが助かる道を探しはじめます。でも、お互いのために犠牲になろうとするのが悲しかった。

こうやって東雲さんと2人で救われる未来がないことで悲しい気持ちに呑まれたとき、ヒロインが悲しいときは一人でいない方がいいって言ってたな…と思いだして、東雲さんのところへ行くのが良かった。いい伏線でしたね。

 

 

 

ラストスパートは、東雲さんが消えることで罰は終わります。

神は人の想いから生まれる存在なので、また会えると信じてくれ、という悲しい終わり方でした。ご都合展開でない、切ない物語でしたが綺麗な物語でした。普段から人を振り回す東雲さんでしたが、最後の最後に宝探しの伏線を回収し、"僕の宝物は雨月村"と〆るのが本当に本当に良かった。

 

 

おまけストーリーでも帰ってきてはいないんですけど、ヒロインの心の中にはずっと生きているっていう描写なんでしょうか?姿が見えないほどに弱いけど、側にいるよ…って感じなのかなと思っています。