十三支演義~偃月三国伝1〜 張遼√

 

 

 

※ネタバレ有り

 

 

 

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張遼(CV.遊佐浩二

呂布軍の将軍であり、夏候惇・夏侯淵が束になっても敵わないほどの実力者。のらりくらりと呂布様の命令ですから、と何でもこなしていくんですよ…"命令"って気になるワードすぎるんですよね。こういうタイプのCV.遊佐さんは妖艶さが余計に際立って、ミステリアス枠の中でも特に気になる。

 

ここまでの√でも、猫族と人間を区別をつけず呂布の命もあって女性に優しい人です。ヒロインを直接傷つけることは呂布様のお気に入り」だからと徹底して避けてくれるので、全体を通してもなくて普通に好感度は高めです。

 

 

 

 

張遼は、人間らしくないこともあって距離感が分かりづらかったり「貴方が大切です(呂布様のお気に入りですから)」っていう、彼に翻弄される√でした。呂布好きの私的には呂布軍と関係を持てることに期待していましたが、いろんな意味で裏切られたな…って感想です。先ほど明記した「貴方が大切ですから」と言った口説き文句を勘違いさせるようなこと言わない方がいいよと指摘するヒロインが、今までで一番女性らしいポジションだな、と好感を持ちました。この言葉が、いろんな形で意味を持つようになるんですよね……。

 

ヒロインの優しさに触れたことで、「呂布様は殺せと、奪えと言う。貴方は殺すなと、守れと言う」張遼にとって主人と真反対のことをいうから混乱しちゃう。殺すことも卒なくこなす張遼ですが、人間らしくしなさいと常々命じられていたこともあり、共に行動することが多くなります。

「私にとって呂布様は最優先すべき主。しかし、貴方のお願いも叶えなければならないような気がします」

呂布様の命を遂行しているときにもそれと正反対の貴方のお願いが私の脳裏によぎるのです」

 と、確実に人間らしさを身に付けていく点は乙女ゲームなんですけど、育成ゲーム感も感じられました(笑)

  

 

ヒロインの温もりに触れたときの感情を言語化できるのに、自分の感情には疎い張遼

「もっとたくさんの貴方の表情をこの目に焼き付けたいとも思っていました。ですが、貴方の泣き顔は例外です」このセリフすごく好きでした。張遼の中で好き嫌いが芽生えてきた瞬間が、ヒロインの言動や表情だということですもんね。

そんな妖艶な容姿で、CV.遊佐さんなのに純朴…放っておけないじゃないですか。ヒロインに人間らしさを教わるべく日々を共にしていく中で、人間らしいについて考えることが出来るようになったときは母のような気持ちで見守っていました(笑)

 

「主である呂布様とは違いますが、それ以上に、私は心から貴方の力になりたい。そう、思っています」

呂布様の命令ではなく私の意志で、貴方を守らせていただけませんか?」

ついにここまで来た!という気持ち。呂布第一主義として形成されてきた人格を、人間らしさをもって覆すシーンは乙ゲって感じ。だいすきです。

 

戦の中、身を挺して守ってくれるんですが、本作は帰ってから伝える系多くてそれだけは乱世で黙認できることではない(誰)伝えられるときに言葉にしよう!!

毒矢を受けてもかろうじて馬を走らせることのできる頑丈なつくりがいよいよ謎ですよね。自軍に帰ってから、張遼の様子がすっかり可笑しくて、記憶消されたか…と。

 

 

いよいよ呂布軍の秘密について迫るときがきました。呂布の圧倒的強さの理由は彼女は人外・仙女であること、その呂布に造られた土人形であるのが張遼とのことでした。マジで人間じゃなかった呂布軍の衝撃よ。あくまでも人間だと思っていましたが、よく考えれば猫族も人間ではないんですよね…。

呂布は、あまりにも人間らしくなり、自分よりヒロインを優先する張遼を用無しとして造り直した、とのことでした。記憶を消されたわけじゃなくて造り直したって予想できなくてパワーワードすぎた。瀕死の張遼が傍らに転がっており、それでもヒロインへの想いだけで戦える張遼マジで強い。

 

「心の重みの分、私は貴方より強くなれるのですよ」

「守るべきものがない貴女には、わからないのです。人間らしさが、どういうものなのか」

 

成長……!呂布を危惧し続ける各軍たちは本当に賢いんだな、と改めて思いました。ヒロインを基本的に可愛がってくれるので撹乱していましたけど…恐ろしいですね。人間でないので余計に。

 

 

 

呂布が倒された時一瞬で張遼らの姿が消えた類のことも明確になりました。命の分け合い系大好きなんですよ……綺麗事じゃない感じ、命を捧げるほど愛している……

「貴女の命が尽きる時、それが私の死する時。その時まで、私はずっと、貴女の傍に……」

一緒に死ねるの最高過ぎて頭抱える。

儚い+純愛で素晴らしいハピエンでした。

 

エピローグは思った以上に幸せそうで微笑ましかったです。こういうキャラは後味が残るのがわたしは好きでした。幸あれ。