大正×対称アリス all in one かぐや√
※ネタバレあり
かぐや(CV.増田俊樹)
浮世離れしたチャラ枠としてのお仕事だけじゃなかった良いキャラ。
初っ端、何の経緯もないままにお付き合いがスタートするというびっくり展開。さらに、次々と彼女だという女性が出てくる修羅場√でした。かぐやさんとは割と端的に距離感を詰めていけているような感覚。お互いに踏み込ませない領域があるような距離感。
そんな中で、手首につけた傷と彼自身が記憶喪失であったことが判明します。乙ゲしていて、自傷行為する子ははじめて出会いました。
自分がどんな人物だったのか全く覚えておらず、言いよってくる女性たちはまったく記憶にない状態だったとのことです。だから、訳が分からない状態で彼女面してくる女性たちとは違うヒロインは心地よい存在なんですよね。
かぐやさんもヒロインも外見がタイプで付き合い始めたわけで、惹かれる過程は余計に大事になってくるんですけど、交換日記すごくいい。個人的には経緯も納得させてくれるし、対面する時間より濃密さを感じられます。【僕は初めて出会ったときよりも、もっと好きになりました】ってドストレートな感じがかぐや√っぽくてたのしい。
「今の僕は記憶がない僕であって、本当の僕が今の僕と全然違うかもしれへん」
何度も鏡の世界に入る前に問答があったのを思い出す一言でもあって、今までの彼女たちとは違う感情を向けてくれている一言であるように感じます。
記憶を取り戻そうと二人で頑張っているのですが、実りもなく強行突破に出ることになります。
敢えてかぐやさんと距離を取るようになるんですが、そうやってヒロインがとる戦法を分かっていて、声を荒げるかぐやさんにときめいたのは私だけではないですよね。
「なあ、僕が何も傷つかへん男やと思った?僕がいつでも笑ってるばかりの男やと思ってたんか?」と試されたことに怒って、「彼女は僕のものだと、彼女の隣にいるのは僕でありたいと、彼女は何度も何度も僕に彼女が欲しいと思わせる……」とモノ扱いされることが誰よりも嫌だったかぐやさんが思うことにめちゃくちゃ意味があるんですよね。本当にヒロインの頭の回転の速さといったら…。
最後に残したメッセージが、またかぐや√の満足度を増幅させるんですよ。
君を好きになればなる程、君が欲しくなる。
僕だけを見て笑って欲しい。僕以外に優しくなんてしなくていい。
なんで推しじゃないんでしょう…??これを言葉じゃなくて文面で残しているところがお洒落なんですよね。暗い方向に激重なの最高。
さらに、穢れた世の中がやっぱり無理で死のうとするかぐやを止めるためには、自らの腹部を刺すことが必須事項。深い愛ですよね、めちゃくちゃ好きです。バトエンも後追いしてくれる系だし、ドロドロ感に磨きがかかってきていて超楽しい。
だから、かぐやさんがやっとくれた「君が僕に心をくれるなら、僕の心も君のものだ」は超絶愛の告白すぎて無理(;_;)かぐやさんは、一歩引いてるように見せかけた激重男子なんですよ…ずっる…。
チャラついたポジだと思っていたら別方向の激重感情にぶっ刺されて大満足。
「君の笑顔も泣き顔も、これからは僕が独り占めにする。全部僕だけに吐き出して」
ちゃんと重くていい……。ひとつ!西日本県民的にちょっと言い回しに違和感を感じちゃったのが惜しかったですね。
かぐやさんはバトエンへの分岐点がめちゃくちゃ多くて、特に不安定な方なんだなって思いました。かぐや物語をなぞりながら、月に帰ることをこうやってストーリーに混ぜるのか…とびっくりしましたがセンスあるな~と思える√でした。
アリス√での重くて一途な愛を浴びるとにやけてしまうので、もっともっと拗らせたかぐやさんをFDで見たい……!たのしみ!!