大正×対称アリス all in one 魔法使い√
※ネタバレ有り
魔法使い(CV.羽多野渉)
逆ハー状態の義理の兄弟兼婚約者として、これまでの攻略キャラたちを暮らしているところからのスタートです。
この中から相手を選べと言う脅迫状が届き、その解決を手伝う役目を担っているのが魔法使いさん。で、これまでの言動を追っているうちに、誰かとハッピーエンドを迎えることで得するのだから犯人ですよね。
これまでの、物語をおさらいするよいに彼らの傷に触れていきます。
その中でも、母親の存在について各々の時系列に沿って謎を解いていくことになります。6年前、というのが各々の分岐点になっており、両親との関係性がバラバラだったりと矛盾点が多い5人の兄弟たち。
彼らの傷に触れていくうちに、ヒロインは『記憶にはない夢』を見るようになります。
これは、アリステアと呼ばれる人物が見ていた夢であって、ヒロインの存在は「アリステアが記憶しているヒロインと、現実世界から語り掛けているヒロインで形成されている」ものであって、すべてがアリステアの中で繰り広げられている物語だったことが明確になりました。
裕福な生活から一転し、貧乏生活から抜け出したかったシンデレラ
母親に愛されたかった白雪
外の世界にあこがれた反発心から生まれた赤ずきん
母親の死後、親戚たちらの扱いに耐えるしかなかったかぐや
精神安定のため人工的に作成された魔法使い
そして、彼らを救うためのヒロイン
その後、優秀なヒロインに対するコンプレックスから生まれたグレーテル
兄弟の順番も年齢云々ではないこと。グレーテルがあれほどまでに執着していたこと、母親のことなんかも全部理由があったわけですよね凄まじい回収。他の人の考察を見てやっと理解しました…。本当に難しい……。
ここまで、王子様たちを救ってきたから、次は魔法使いさんの番あるんですよね。
でも、魔法使いさんはただの駒であり、片思いの相手からの想いを得ることも出来ずにその人のためにその人が幸せになれるように尽くすことだけが仕事なんですよね。しかも、バットエンドになるのならば、愛する人の形をする人格を殺し続けているわけだから、無自覚にしんどい思いをしてきているんですよね。
愛する人に与えられた役割だから、【自分の番】であることを受け入れない。
本√は恋をするってわけではなくって、百合花を慕う魔法使いさんを慕うために形成されたヒロイン像という印象をうけました。
虚像だったとしても、魔法使いさんにとって心に光を指す一つの要因になれたのではないでしょうか。黒猫がヒロインだったのが、すごく良かったです。
アリス√での、足掻いても実らない少女漫画二番手ポジションでしかない魔法使いさんも本当に切ないんですけど、自分のヒロインへの細やかな心情な変化を感じられたので安心しました。
FDで一番幸せになって欲しい。