十三支演義~偃月三国伝1〜 劉備√

 

 

 

 

※ ネタバレ有り

 

 

 

 

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劉備(CV.石田彰

いよいよ最後です。どう考えても子どもなのに、猫族からの絶大な信頼と従順な態度も不思議でしたが、それ以上に思考回路は楽観的なのに確信を突いた発言も多くて謎多き少年です。CV.がすべてを物語ってる謎握ってる感。

最初は猫族攻略組が結構鬱陶しい感じが抜けなくって苦戦していたんですけど、ここまでプレイしているうちに「みんながはなれて暮らすなら、ぼくひとがひとじちになった方がずっといい」と言えるあまりにも長な一面にグッと掴まれていました。

 

 

 

劉備は最後の方が絶対的に良いとされていたので、共通で何度も見る黒いモヤ的なのがずーっと気になっていましたが、あれは見るからに闇っぽいんですけど、そのままで闇の力の許容が溢れ出している状態でした。

金眼の伝承が本√ではフューチャーされていましたが、それは隠された歴史であり劉家は英雄でした。金眼を殺したとき、呪いを一心に受けたのが劉家の一族であり、代々成長を妨げられているということでした。そんな子どもの劉備には三つの人格があって、年相応で長としても立派な劉備。子どもであるいつもの劉備。闇の力に呑まれた暴走する劉備

 

劉備√に入ってからは、同じ声なのに落ち着いた声が聞こえてくるわけで、一緒居てくれることを嬉しく思う反面、劉備はヒロインのために何もできないことを悔やんでいて、自問自答しているんですよね。やっぱり、ちゃんと考えている賢い子でした。

 

 

 

 

 

三つの人格があるとわかって、三者三様と接する機会が増えることでヒロインは困惑すると同時に、子どもである純粋な劉備を追い求めているのです。

「僕は何よりも君が大切なんだ。子供の頃からずっと慈しんできた君……」

「もう時間がない。だけど、これだけは覚えておいて。子供な僕も今の僕も同じ僕なんだ」

すべての人格でヒロインは何よりも大切にされているのですが、子どもである劉備以外は別人に映ってしまうのもしょうがないんですよね…。子どもの頃救ってくれた劉備こそが、ヒロインの全てでもあったわけで、純真な彼を追い求めているっていうすれ違い祭り。シナリオの展開はそこまでなかったんですけど、そこら辺丁寧でした。

 

 

闇の力を有する劉備は、呂布にも優に勝ほどの力を持っており、とにかく強い。

そんな劉備が、他の男に渡したくない……ときたら、大好きな病みパートが待っています。でも、ただの病みパートじゃなくて、自我のある劉備と対話するタイミングも色々あるんですよ。気持ちが忙しい。

「君のやさしさが心地よかった。君の強さも弱さも温かさも……僕のまわりは君で満たされてた」

「君は以前、僕が君のすべてと言ってくれたけど、君の方こそ僕のすべてだったんだ」

彼なりに、ヒロインのためになりたくて力が欲しくて他キャラのように守りたくて悩んでいたわけです。それでも、闇の力に振り回されて困らせてしまうぐらいなら、と自ら命を絶とうとする覚悟と理性がマジで一人前の長でした。猫族の歴史云々は完全に理解できた感じがしないですけど、劉備はずっと猫族とヒロインのことを大事にしていたんですよね。

 

 

 

 

そうして、離れ離れになって少し経った頃、袁紹軍を率いている劉備に敵軍として相まみえます。その姿は、立派な大人で闇の力を有した姿でした。

ずっと力が欲しいと渇望していた劉備「僕はね、もう君に置いていかれるのは嫌なんだ……」がすべてな気がします。根底にある部分は変わってないから憎めないし放っておけない。脆いだけじゃなくてヒロインが他の男に取られてしまう危険性があるならば、全滅してやるといった酷な思考回路が備わっており、もっと病んでくれたら推しになってた気がする。(?)

徹底してヒロインを傷つけないので、プレイしている身としては悠々と攻略していけるんだけど、暴走中の劉備を止めることが必須なのねそうも言っていられない。

 

 

 

呪いの力を受け入れて、また成長の止まった劉備に戻るんだけど、時々会える本来の劉備と仲睦まじく…という終わり方でした。劉備の抱えている様々は理解したんですけど、あまりにも容姿が幼いのは少し残念ですね。

劉備バトエンの方がすっきりする印象でした。私の好きなニュアンスでもあるんですけど、世界もろとも二人だけにしちゃえばいいが実行できそうなふたりだからこそ納得出来るエンドでもありました。

それに、曹操に猫族の血が混ざっていることも知っていたのか何らかを感じたのかは謎ですけど、生かしてやってもいいかなとちょっと考えた劉備が異様に好きでした(笑)

 

 

完全な解決エンドじゃなかったように思いますけど、2も同梱版なので続きに期待します。