十三支演義~偃月三国伝1〜 曹操√
※ ネタバレあり
ヒロインだけを追い求める半ばストーカー的な印象が強すぎる曹操。夏侯惇ら兄弟からの絶大な信頼と策略家でちゃんと強いところは好感が持てます。
夏侯惇√では恋路の邪魔をするわけでなく、黙認して息が合う点を見越してくれるわけで最初よりはストーリー意識薄まりつつの攻略でした。
一言で言うなら好きなタイプの面倒くさいやつ。
初っ端から「お前が欲しい……!自尊心も…羞恥心もかなぐり捨てお前に請おう……!」「私の下に来るのだ!」と相変わらずヒロインを欲しているご様子。命の危機的状況でこれを言われると揺らぐのが女の子なんですけど、ヒロインは猫族をもちろん選んでいくのがちょっと面白くて、後々拗ねられてほおが緩みますね(?)
曹操はどの√でもヒロインを手に入れられないので、やっと手元に居てくれてよかったね…と。ヒロインが欲しいから割と何でも許容してくれるから、こんな上から目線で偉い人なんですけど可愛い。
さらに、不眠症でヒロインの側なら寝れるやつ〜〜〜!!こう言うの好きじゃん?(?)中庭で話し相手になってくれるヒロインを待ってて、来ない日があると拗ねる……めっちゃ可愛いキャラ…!「お前の傍で眠った日、少なくともあの日の私は満たされていた。十分だったのだ」想像できなかったギャップに超喜んだユーザーの割合が気になります。
ヒロインも曹操の傍に居る理由が”軍のため”以外に欲しくなってきた頃から、曹操の様子が私の好きな拗らせ方してきたよ……まさか、曹操がこうなってくるとは想像していなかったのですっごく楽しかったです。
「私の国に来て、私の隣にいてもお前の心はいつまで経っても一族のところだ」
「お前がここにいるのは徐州の平和と引き換えにして私が縛り付けているからだ」
「輪足が徐州を助け、徐州を手に入れてしまったら、お前を縛り付けておくものがなくなる……」
不器用が国政にまで傾いてしまっている迷惑な人なんですけど、渇望しているの分かるから私はどんどん好感度上がっていく…。戦う駒としてヒロイン欲しかった曹操ですけど、それにしても過度な様子で、純真なヒロインの心までも欲しくなっているのを当人らが気付けてないのがもどかしいけど、当√ではちゃんとスパイスになってた。
「お前が私の下を去ってしまうのでは、大事なものが奪われてしまうのではと」
「私は将としてではなくただ普通に、お前に側にいてもらいたいのかもしれぬ……」
「私は随分お前に酷いことをしてきたというのに……それでも、傍にいてくれるのか」
いままでプレイしてきて曹操がこんなに子どもっぽくて保護欲掻き立てる系のキャラだとは想像もしていなかった…。欲しいものが分からなくて手当たり次第だった曹操が、駒としてではなく心から本当に欲しいものを縛りつけることなく手に入れられてよかったし、想いが通じ合うときが他と比べてはやかったのも好きでした。
愛おしくて本当に欲しいものが手に入ってから、戦はもちろん外に出すことすら嫌がるようになった曹操。あまりにかわいくて、かつ、面倒くささに完敗して一回本体放り投げた…。「……お願いだ。お前は決してここから離れず、私の帰りを待っていてほしい。……頼む」わかった(わかった)愛し愛される経験が乏しくて、感情のコントロールが効かなくなって大切にした気持ちだけが暴走して囲おうとするのえぐいほどすき。唯一まるごと自分を愛してくれたヒロインを離したくなくて「私のことだけを考えてほしいんだ……!」と言われたら私なら頷く()
闇落ちに一直線な曹操ですけど、憎めない。
実情が伴ってなくても婚儀を挙げたいし、契りを交わしたいと懇願してくる曹操が見られるの楽しい。
曹操√はそれだけじゃなくて、彼もヒロイン同様に人間と猫族の混血。
この世にたった二人きりの仲間だということ。これを運命と言わずして何と呼ぶ、ロマンティックで結構好きですけど、ヒロインにはこの純愛はうまいこと伝わってなくて、愛情がお互いに空回りしているような印象を受けました。
それでも、やっと曹操の命の危機が訪れたときにちゃんと想いが通じ合うのが皮肉が効いてて良いシナリオでした。
「生まれて初めて愛おしいと思った娘が私と同じ十三支と人間の混血だった」別に意図して混血だからと、ここまで想いれていたわけじゃなくて、本当に宝物のように接してきたのが空回りしていただけ、と。
すべてが終わった時、曹操はたった独りだという呪いの言葉を
「最後の最後に手に入れることができた本当に欲しかったもの」
跳ねのけたラストスパートがきれいに伏線回収してくれててすっきりしました。
猫族とも共存して幸せになれた√で心温まる内容でした。
度々訪れる猫族らに振り回されながら、2人きりになりたいのに…って耐えてる曹操可愛いな。断トツで可愛い枠なのはなに???
「私は色々なものから解放されたが同時に、お前に囚われたようだな」
「やっと手に入れたお前だ。私は決してお前を手放さない。お前もよくよく覚悟しておくのだな」
相変わらずの独占欲と物言いが少し柔らかくなったのに重荷から解放され愛し愛された結果ですね。結構地雷シナリオみたいな感想を見ていたんですけど、いったいどこだったのか見当もつかない…。バトエンも大好きな閉じ込めエンドだったし、執着属性のシナリオがことごとく刺さりました。
思いもよらないところから刺されました。