大正×対称アリス all in one アリス√
※ネタバレアリ
アリス(CV.松岡禎丞)
大団円扱いにもなるこの√。
最後の答え合わせの物語でした。
前√にも出てきたアリステアくんは、アリスくんであって、これまで攻略してきた彼らもアリステアくんの中にある各人格ということが確証されました。
魔法使い√で供述した人格が生まれた原因となったものはすべてアリステアくんが経験してきたことで、それらを自衛するために生まれた人格で各々がとても大きな問題を抱えているということです。だから、すべての人格を救うことがアリステアくんの心を癒すことに繋がるんですよね。
ぜんぶアリステアくんのための物語。
今までのキャラたちがヒロインに向けた言葉も全部アリステアくんの中に存在する人格で、全部アリステアくんの言葉だったとも解釈できるわけで他推しの私的には少し寂しく思う内容でもありました。
やっとアリス√ということで、今まで救ってきた彼らと恋人になったその後と言うような世界線を転々とするのですが、どうも各キャラが想い合ったヒロインとは様子が違って、各々の【有栖】を求めていることが明確になるんですよね。
【有栖】にはなくて、【有栖】にはあるものであり、そのキャラに寄り添って、思い出を重ねて歩み寄れた【有栖】はそれぞれにたった一人しかいないんですもんね。確かに、人格形成されて派遣されたのは有栖百合花なんだけど、今回のヒロインはアリスくんに充てられた【有栖】だから、なんだか違う。
基本的な人格は変わってないけど、『誰が主軸の世界』かによって印象が変化している。
そういう些細な違和感に気付ける彼らになっている状態だからこその、本√だしアリステアくんを救う手立てができている段階なんだと納得できました。
みんなが自分の【有栖】でないことを分かっていて、それでも目の前に自分の大好きな人とそっくりな人が困っているから、手を差し伸べる……。
みんなはアリステアくんの踏み台と称されたわけですが、アリステアくんは各人格を受け入れ、みんなに各々の【有栖】と幸せになる術を与えるんですよね…。ヒロインは、魔法使い√のように誰も余すことなく見捨てられなくって、夢の中だからそれを現実に出来た。ただただ、すごいヒロインとしか言えない。
シンデレラも、赤ずきんも、かぐやも、白雪も、グレーテルも、そして魔法使いもみんなちゃんと幸せになれる筋書きを用意されていて心から安心しました
ただひとり、「彼女の一番にもなれなければ、最後にもなれなかった」魔法使いさんだけは不憫で仕方ない……。それでも、女王様より与えられた【有栖】への愛情は確かに感じられるのでFDで一番幸せになって欲しい人です……。
アリステアくんは、元々気弱で自身のない男の子で、見た目の第一印象は間違ってなかったみたいです。アリスくんは、正真正銘もう一人の自分でもありイコールではないんですよね。自分の理想像がアリスくんであって、それが段々意思を持ったってイメージですかね?とにかく難しいんですよ。
どの人格も根源はアリステラくんが持っている性格で、細かい描写が似ていて本当にシナリオの流れやもっていき方がすごかったです。
「あの時、君は他の誰でもなく僕の名前を呼んでくれた。僕はそんな君が大好きだ」
皮肉にも聞こえてしまう告白ですが、アリステアにとっても本来の【有栖】にとっても互いに王子様でお姫様だったんわけで、これぞみんなのハッピーエンドでした。