BUSTA FELLOWS 真相
※ネタバレあり
普段は真相√だけを取り上げて感想を書くことはないんですけど、プレイした方ならお察しの通り幼馴染についてのこの感情をどこかに吐き出したかった。
この幼馴染は救われない。ってド鬼畜警告をされていたので、心の準備はある程度してからプレイしましたがそれでもやばかった。
アダムがヒロインに対して友情以上の感情を抱いているんだろうなって言うのは薄々垣間見えていて、それでも絶対に引き留めないし何だったら後押しまでしてくれるし、スマートだからこその脆さっていうのが大洪水のように情報開示されて死んだ。
前半は、攻略中は一度連絡を取ってから何ひとつ進展がなかったあの相手に進展がありました。カルメンさんから発せられた『汚い水槽の中の魚』、恋人が信じてた弟に殺されたって話…今まで全く開示されてなかった部分がすごい勢いでパーツがそろっていく怖さと楽しさ。
愛らしいアレックスの声がワントーン低い・・・全く気付かなかった。
ニューシーグの比較的綺麗な部分を見てきたヒロインとは違って、良くない部分から立ち上がろうとしたアレックスの対比がつらかった。
ただ助けたかっただけで、それが結果として悪いことだったとしてもアレックスの気持ちを責めることは出来ないし『善悪の曖昧さ』って言うのも回収してくれてて圧巻だった。
恋人を殺したアレックスを見つけたいと思ってフルサークルを立ち上げたカルメンさんのその媒体が結果としてアレックスを救うことになるっていう皮肉も効いてた。
大事な人の大事な家族だから、ってアレックスを受け入れる覚悟をするカルメンさんがひたすらにまぶしかった。
「人を騙すのは容易い。それは自分のためだから。でも、秘密を守るのは、誰かのためだ」
これが後半に効いてくるとは思ってなかった。
後半、明かされる真実のえぐさにマジでこの幼馴染救いがなくて絶望した。
ヒロインの兄・ゾラが生きていてこの街に戻ってきてる?ってなってからの、二人の発狂に最初こそ意味が分からないんだけど、アダムの状況判断能力が著しく欠けはじめてて崩れていきはじめる・・・。
ゾラにテウタとルカには近付かないでって必死に懇願して追い掛けても追い掛けても見つからないのに声だけは脳内に響いてくる……本当にゾラが生きているなら何でこんなに険悪なムード?と思わせておいてのアダムが一人で喋ってるスチル……。視界が歪んでいることもちょっとずつ意味が分かってきてアダムの幻覚じゃん、ってなってからは無理だった。
しかも、壊れていくアダムを促進させるようにそっと背中を押すサウリ先生……。
サウリ先生は、ルイ・ロペスのこと、あらゆる事件のこと全部知っててそれでも関与せず傍観者に徹していた。確かに直接的なことは何もしてない、そう開き直るんだけど、でも!!!!ヘルベチカのこと考えたら『知らなかった方が良かったこと』で、ヘルベチカ√での突き放すような言い方も実験していたに過ぎないんだろうか…って。
アダムの誕生日「今がずっと続きますように」と願ったことが、こんなにも渇望していたことだとは想像もしてなかった。ゾラを殺してしまった事実がアダムにとっては裏切りで、真実を言わないことがアダムが取った優しさでそれが結果としてこういう別れを生み出してしまう選択肢だったんだよね…。
療養のために車に乗って移動してる時確かにヒロインの声が聞こえて、顔が見えないときに察してしまって進めるのにすごく躊躇った。そのままエンディングに入ってしまって、今まで飲み会の集合でさえも「二人より先に行く」ことなんて一度もなかったアダムが先に行く……。
明確な答えは出されてないけど、それでももう二人とは一緒に居られないってことじゃんって死んだ。
その後ヒロインがどう過ごしているとかの追記はなくて、アダムがいなくて残された二人が関係性を修復するのは簡単なことじゃないし敢えて明確にされてないことがしんどい。
青いバラの花言葉は最近「夢叶う」がピックアップされることが多いし、アダムがプレゼントしてくれた時の意味としてそれは充分に含まれてたと思います。だけど、実際にはもう一つの花言葉「不可能」が本作は重きが置かれていたってことだよね。
幼馴染として一緒に居られない、3人で笑いあうことはできない、「今はずっと」続かない。あらゆる不可能がアダムに突き付けられている苦しさ……。
続編が決定して少しは気持ちを落ち着けられますけど、それでも酷。
幼馴染が幸せで在れと願うしか出来ないつらさ。
でも、この尾を引く辛さこそが良いゲームだったと思える所以でもあります。