オランピアソワレ 玄葉√

※ ネタバレ有り

玄葉（CV.杉田智和）

【黒】の大人なお医者様。歳上ながらの余裕の中にも、対等に人として扱ってくれる節があって、まったくいやらしさのない爽やかな方でした。色気枠とはまた違ったの魅力が玄葉にはありました。

共通で第一に思ったのは、白黒の婚姻は色の印象から綺麗なのかな…となんとなく。一番遠くて近いみたいな。色だけで聞くと一番運命の相手のように聞こえました。攻略キャラたちは、【色】が上の方々が多い中での、【化色】の【黒】ですが、【色層】の重さを感じさせないフランクな雰囲気も良かった。

個別に入ってからは、恋の駆け引きを楽しんだなあと思います。玄葉から歩み寄ってくれているようで、一線は引かれているような。自分からは好意を露わにしているようで、していない…みたいな。プレイ済みの彼らとは違った大人な恋でしたね。その分、序盤は盛り上がりに欠けていた気がしないことも…ない。揶揄われて、浮かれて、落ち込んで…って言うヒロインを頑張れ！と応援したくなるようなストーリー。

ここでやっと【黒】についても言及されてました。太陽の餌にも、鳥居にもならない【黒】の運命に抗うわけではなく、受け入れて半ば自虐的ではありますが島のかたちを変えていきたいという考えが大人だった。『浧』と比喩されているように、呪われた【黒】として扱われてきたのに【黒】の発症しない薬をつくりたいとコトワリにいるのすごい。

玄葉は何かと距離を取っているから、デートに気付けなかったのはしょうがない。ただ好きと伝えるだけじゃないのが、【黒】で大人な彼らしいなと思いました。好きだけど「立場は弁えてる」ときた。自分は蔑まれることに慣れているけど、ヒロインとの未来を考えると想いだけで婚姻することは正しいのか分からない…【色層】に縛られていなかった玄葉がヒロインのことを考えたとき、ここまで締め付けられるというのが残酷でしたね。髪が黒く変色してしまうことで、更に恐怖を感じてヒロインと露骨に距離を取り始めました。いい大人なのに、こう言う時子供っぽい。

「顔色が悪いですね」「な、何ですか、その顔は！俺がそんな無責任な冷血漢だとおもっていたのですね！？」璃空……不意打ちとかやめて！？頭抱えて一度、璃空に戻りました……

この√では、薙草が障害となってきました。めちゃくちゃ地位欲しさに寄って来るじゃん(笑)柑南のほうが何倍もいいわ！と思うだけのキャラでした…いや、後々印象が変わってくれるといいな。薙草に押し倒されたとき、一切色が変わらないのは必然であると同時に攻略キャラたち強キャラじゃん…と感心しました（）

押し倒された後に、玄葉に押し倒されたときはさすがにおい！待て！！となってしまいましたけど。悔しくて嫉妬にかられる気持ちはわかるんですけど、少し前に乱暴されかけた女の子に同じような仕打ちはどうかと思います。ニルアドでも同じこと言ったな…（小声）分かるんだよ！？理性ぶっ飛んだってことですよね！？好きですけど、タイミング～～！！！！

さて、一段落着いたところで元【黄】の玄葉は、道摩から【黄】の地位を授けてもいいとの取引を持ち掛けられました。私は、ここで道摩の好感度上がりましたけど、皆様はどうなんでしょうか。薙草を見殺しにすれば、地位もヒロインも手に入る…。選んでいいと思うけど、ここで選べないのが乙ゲのキャラ達ですよね。好きですけど。

例え良い結果をもたらすことが出来なくても、見捨てることは出来ないと信念を再認識して、医者として挑む玄葉は素直にかっこよかったです。

 そして、結ばれるときに＂ハンカチ＂のくだり持ってきたのは天才でした。最初ハンカチを拾った相手が本当に運命の半身だったのは流石にえもえもでは？【黒】だから、自分には半身なんて信じてなかった彼が、「こんなにも愛しく思える存在」を見つけたのが、同じように希少でありながら正反対の対応をされてきた【白】なんだよ～～。やっぱり白黒カップルいいね。キレイ。

「あんたを真っ黒に染めて醜くしてしまえば、誰も近づかないんじゃないか」

「醜く疎まれるあんたなら…ずっと俺の側に閉じ込めておけるんじゃないか」

っていう闇落ちしそうな部分をこの段階で持ってきてくれるのがいいね！玄葉のバトエンは中々重かったから。まさか、玄葉がこの選択をするとは思わなかった。誰よりも「生きる」ために尽力してきた玄葉だからこそ、やっとの半身を手に入れられない苦痛から「死」を選ぶんだよなあ。心中は最上のハピエン（暴論）

話がそれましたが、玄葉は名誉とか立場とか不要で、「俺はこれからも【黒】の玄葉だ。でも、それでも…あんたが欲しい」今までの何よりヒロインだけが本当に欲しいものなんだなってまとめ方でめちゃくちゃ綺麗でした。序盤の大人な恋愛から、ラストスパートにかけて盛り上がっていくのは楽しかったです。