オランピアソワレ ヒムカ√
※ ネタバレ有り
ヒムカ(CV.堀江瞬)
「弔い屋」のミステリアス少年。
公式サイトを読み込んではなかったので、こうして書いていると【色】がないのも不思議ですよね。攻略制限かかっているだけあって、情報量も多かった。一気に本作の謎に迫ってきたストーリーでした。
さといさんのイラストなので、アバソンのヒロインとリッカさんを混ぜた感じでめちゃくちゃ顔が麗しい…と思っていましたが、スチル見れば見るほど美しい……。
共通でも他√でも、ほぼ出てくることがなかった分ヒムカのことをまったく知らない状況でのスタートでした。そう思えば、ヒロインと同じ心境でのプレイですね。
個別に入ってからは、もの凄くヒロインを慕い大切にしてくれている一方で【オランピア】の偶像に焦がれている感じでした。でも、少しずつヒロインを一人の人間として、大切にしてくれていっているのが分かりました。
恋愛したい気持ちたっぷりなんですけど、一筋縄じゃいかないどころかヒムカは『卑流子』だと言う。薄々そうじゃないかと思っていましたけど、まさか世界を創造した紛れもない【神】だとは思っていなかった。「貴方のことが大好きだけど、お婿さんにはなれない」がそんなに激重な言葉だとはこの時点では思っていませんでした。
ヒムカは【色】を持っていない。
【白】は交配し、半身から【色】という名の魂を用いて太陽を輝かせていたようです。ヒロインは幼いこともあって、交配できず力を得ることが出来なかったので、晶=魂を用いて太陽を輝かせていました。なので、【色】を持っていないということは与えられる力がないと言うこと。すなわち婿にはなれない……半身……。
余談ですが、心中してしまった【青】の軍人さんカップルに涙して、花冠を編めないと花を摘み集めて弔いをするのが璃空らしくてまた惚れ直しました……(;_;)
ヒムカ√に戻ります。
ストーリーが重過ぎる!!って充分に思っていたのに、死刑執行人である海浬が人々を晶にしまくっている事件が発生します。海浬は、アマテラスの対になるイザナミにより心の弱味に漬け込まれて動いているようでした。世界に絶望した彼を思うとそれも哀しい。
イザナミはヒムカの全てをかけて、消滅させてるんですけど、力を失ったことで器だった人形が崩れ去っていくんですよ……ハピエン直行のはずなのに疑いまくった。
天供島は、ヒムカが作った島であり、【色層】という制度をつくったのも彼でした。でも、差別的な意味を含むものではなく虹のような世界を創ったら喜ぶかな…なんて些細なものだったと伝えてくれた時すごく悲しくなりました。人間の愚かさがヒムカを苦しめる要因でもありました。醜く不出来な自分は、何もしても醜く不出来なんだと諦めていて、天供島の制度がそれを示しているんだと言います。
それでもヒロインと天供島を守ることが出来て、本当に満足だったんだろうなと思います。
半身の話もヒムカがつくったもので、自分のように寂しい思いをしないように…という想いが込められていた呪いでした。『不出来』だとイザナミに捨てられたヒムカは、誰かに愛して欲しいと思って……つらい…(;_;)
同様に、月黄泉も神様であったことにビックリしました。月黄泉も特別な何者かと思っていましたけど。でも、全容は明らかになっていません。
月黄泉の血から【黄】を、ヒムカの血から【青】を創った。と言うことは、ヒムカは【青】の総統……????えっ、マジ?璃空……(またきた)璃空もとい【青】神聖すぎてビックリする。
また話が逸れましたが、あっさり言えばアマテラスの御慈悲によりヒムカは【色】と【人】得て、本当に婿として認められることとなります。神様だった時より、今の方が何でも出来そうだと思えるのは、彼自身がかけた呪いのおかげでもあるのかな…と思いました。
『これはとある海のとある島の、とある花婿探しの物語。』
うわーやっぱり特別だ。ヒムカ特別なのに、この後の朱沙どうなるの?!怖!
バットも、【永遠】って名称がズルイ。
ヒムカにとっては本当に永遠に、人形の大好きなヒロインを側において愛でるんだよなあ……陰ボイスで「幸福と不幸は一対」と言って、尚幸福だよと言うヒムカを救いたい( ; ; )好きなバトエンではありました。
もう一つは、海浬のスチル付き。
駄目な大人たちに唆された海浬を救いたい。格差社会で苦しんでいる面々の終わり方なので気持ちのいいストーリーじゃなかったけど、絶望に染まった彼らにとっては選択肢がなかったのかな。
ヒムカ√も面白いストーリーでした。問題点が多すぎて恋愛している感じは薄かったですが、SSはかなり好きでした。人間としての感情や痛みを少しずつ知っていくことを嬉しそうにしているところ、「終わり」を一緒に迎えることが出来ることが出来ると穏やかなところを見ていると救えて良かったと思います。
朱砂√では月黄泉のように力のない神としてひとり生きていくのかと思うと心が痛む。幸あれ。