神凪ノ杜 沢木宋太√

 

 

 

※ ネタバレ有り

 

 

 

 

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沢木宋太(CV.八代拓

攻略キャラの中でも圧倒的に陽の人物。

この作品の雰囲気にあった明るさ。物腰柔らかで、おおらかが故に、人気者であり好感の持てる人でした。


宋太くんは小学生の頃の同級生で、初っ端ユーザー的には覚えてるもなにも(笑)みたいな気分で進めていましたが、例え覚えていてもいなくても宋太くんは優しいんだろうなあ。と終始思えるほどには慈愛に満ちてた。

優しすぎるってことは特別扱いしてくれないってことでしょ。と、紬ちゃんの台詞めちゃくちゃ頷きました。乙ゲユーザーって特別扱い好きじゃん?

 

でも、さすが攻略キャラでしたね。

ショパン弾いている姿を目撃した時、彼も狐付きだもんね、と噛み締めました。

 

 

 

宋太くんは優しすぎるが故に自己犠牲タイプで、この√にも大きく関係してきます。

この自己犠牲が形成されたのは、母親による影響からでした。才能あふれる兄が交通事故により死んでしまいそれがあまりにもショックな母親は、宋太くんを兄に重ねて見ていたのでした。兄が死んだ時に、"宋太"は死んだ、と言うように存在そのものを否定されても耐え続けていたことが原因でした。

さらに、その呪縛は文化祭にテーブルクラスを盗んだ犯人と疑われても何も言わずに抱え込んでしまうほどでした。犯人を知っているのにも関わらず、です。自分が黙っていて円満に事が進むなら黙って耐えるタイプ

 

 

宋太くんは、母親からは兄の代わりであり、クラスメイトからは頼れる人気者です。誰かに望まれる自分が無意識のうちに固定してしまっていましたが、ヒロインの側では自分自身でいていいと思えるようになったことが大きいと思います。

 

 

 

小学生の頃もただの同級生であっただけなので、イベント毎でじわじわと縮まっていく距離感は清らかで好きでした。文化祭の帰り道のラーメンや、プラネタリウムなんかドギマギしていて頬が緩む。この一つ前のラーメンエピソードなんかも、食べたい気持ちを押し殺すっていうのが小さな伏線になっていて綺麗なシナリオでした。

母親との問題も円満解決ではないのですが、宋太くんの考え方が変わったことが大きいんですよね。

 

 

この√は、付喪神にフォーカスが当たっていましたね。人をたぶらかすと言われている付喪神ですが、神々が人間に振り回されているような描写が多くてストーリーとしてはすごく好きですが、悲しい気持ちになりました。待っていればきっともう一度、と言った付喪神たちが宋太くん自身と重なって、物語が本当に綺麗でした。

 

 

また、恋愛面では宋太くんは結構やきもち焼きで可愛らしいですよね。日向が相当な独占欲わんちゃんだと思うんですけど、日向から宋太へ、宋太から日向へもお互いにやきもち焼いてるの微笑ましいですね。

 

 

 

そして、今作のバトエンは初っ端からキツめでしたね。まさか、一番手推奨から各々命を断つとは。死をさまよう曲の中で、命を断つ。自己犠牲を絶とうと思ってくだした判断がこの分岐では結果的に間違っていて、今までの指針なんかも崩れ去ってしまったんでしょうか。

自分を殺して生きていく事に耐えられなくなった悲しいエンドでした。

 

 

近年まれにみる純愛を楽しめました。